この数年間においてホスピタリティ業界、とりわけ宿泊業界における市場は大きく変わりました。2015年以降、インバウンドの増加にともない、多くの好機をもたらしたことは言うまでもありませんが、またそれと同時に課題が山積していることも事実です。

私は約25年間、ホテルの現場に身を置きチームメンバーとともに仕事をしてまいりました。世の中の流れや経済状況の中で自身の力ではどうしようもできなかったこと、逆に自身とチームメンバーの努力により“変化”できたこと、その繰り返しでした。これからもその2つの波は交互に押し寄せてくることでしょう。しかしながら、その宿命をポジティブに捉え、“変化”に強い組織を作っていくことが、この先の宿泊業界において重要であると考えます。

2020年に向けて、ホテル開発案件は右肩上がりとなり、多くの雇用を生み出していること、お客様の選択肢が増えたことはもちろんプラスではありますが、本来、ホテル、旅館とはどのような存在であるべきか、今だからこそ立ちどまり、自社の強みや大事にしていきたいことを整理することが必要ではないか、と思っています。

私はこの10年間、現場の指揮者である総支配人として素晴らしいスタッフたちとともにホテル運営を担ってまいりました。“ホテルはただ泊まるだけの場所ではない”・・・その気持ちをより多くの宿泊業界の皆さまと共創していきたく、この度、アライブ・ホスピタリティ・デザインを設立いたしました。宿泊業界がさらなる発展を遂げ、真の豊かさを提供できる場所であり続けるよう、精進してまいります。